健診診断と恋と嘘
十年ぶりの家族の団欒
次の日の朝、目が覚めた私はガバッと起き上がってキョロキョロとまわりを見回す。
私の家でも、凌ちゃんの家でもない。二つ並んだ広いベッドの一つは綺麗なまま。
私が一人で寝るのは嫌だとわがままを言ったからだ。隣を見るとまだ眠っている凌ちゃんの無防備な寝顔。
やっぱり、夢……じゃないよね。
そう思って自分の左手の薬指を見ると、キラキラと輝く指輪がしっかりとはまっていてやっぱり現実だって実感する。
昨日、本当に凌ちゃんにプロポーズされたよね。
光に当たるとダイヤが七色に輝いてすごく綺麗。
これ、凌ちゃんが選んでくれたんだ。何だかそれが嬉しくてニヤニヤしちゃう。
じーっと飽きることなく指輪を見ていると、後ろからくくっと低い笑い声が聞こえて振り返ると凌ちゃんが上半身を少し起こして笑っている。
何か、浴衣が乱れててセクシーなんですけど。
「おはよ、そんな風に喜んでくれてると本当に嬉しいね。かわいい。朔夜、おはようのキスは?」
そう催促されて私は凌ちゃんに近付いてチュッとキスする。