健診診断と恋と嘘
それにしても、昨日こそそういうことになるのかな……なんて思ってたのに全然なかった。
あの後普通においしいご飯食べて、別々に寝るか聞かれたけど一人で寝るのが嫌で一緒に寝たいって私が言っていつも通り凌ちゃんの腕の中で眠った。
シャワーを浴びながら私ってやっぱり女としての魅力がないのかな、なんて考える。
そりゃ、ちょっとそうなるのは怖いけど凌ちゃんにもっと触れてほしいと思ってる自分もいる。
でも自分から誘惑なんてとてもじゃないけどできないし、絶対無理だ。
ペチペチと頬を叩きながらとりあえず今は実家に挨拶に行くことだけを考えようと頭を切り替える。
お兄ちゃんに会わなきゃいけないし、結婚式に出席してないからお兄ちゃんのお嫁さんに会うのも初めてだ。
メールでお兄ちゃん夫婦も待ってるってお父さんが言ってたからいないってことはないよね。
私のことを生まれなければ良かったと思ってるお兄ちゃんと、十年ぶりに会うのか……。