健診診断と恋と嘘

ダメだ、暗い気持ちになってる場合じゃない。


私は凌ちゃんや高倉さん達と出会って変わったんだから、もう大丈夫。


きっと今ならちゃんと向き合える。何を言われても、私には凌ちゃんがいるんだから。


そう気合いを入れつつお風呂場から出て浴衣を着て脱衣場を出ると準備が終わったらしい凌ちゃんがソファーに座って腕時計をはめているところだった。


「凌ちゃん、かっこいい」


髪を仕事の時みたいにセットしてて、ワイシャツにジャケットを着てる凌ちゃんはやっぱり大人の色気があってかっこいい。


お父さん、こんなかっこいい人連れてったらびっくりするだろうな。


「ありがとう。一応、ちゃんとしてかないとね。朔夜も準備しな」


私の言葉に笑った凌ちゃんにそう言われてはっとする。


見とれてる場合じゃない。私も準備早くしないと。そう思って服を持って洗面所に入る。


髪を乾かしていつもはほとんどしない化粧をちょっとだけする。


ファンデーションを薄く塗ってアイシャドウとチークも気持ち塗って口紅をつける。


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