健診診断と恋と嘘
そうしてるうちにそろそろお暇しようってなったんだけど、三人ともに悲しそうな顔をされる。
「もう帰るのか。泊まってってもいいのに」
お父さんに悲しそうな顔でそう言われて凌ちゃんは眉を下げて困った顔をする。
「いや、今回は宿とっちゃってるので。今度また泊まりに来ますね」
凌ちゃん、大分お父さんとお兄ちゃんに気に入られてるな。今度は飲みましょうなんて話してるし。
「あー……、じゃあ明日も来ますよ。祝日ですからお休みですよね。お母さんのお墓参りに行きたいですし」
その凌ちゃんの言葉にお父さんの表情が明るくなる。
「おお。来なさい、来なさい。お昼ご飯用意しておくから」
え、大丈夫かな。凌ちゃん何か勢いに押されてる感じがするけど迷惑じゃないかな。
それが顔に出ていたらしい私に凌ちゃんは微笑んでくれるけど、何となく申し訳ない。
お父さん達に見送られて車に乗ると、運転しながら凌ちゃんがふうっと息を吐く。