健診診断と恋と嘘
二人の夜
「りょ、凌ちゃん……ちょっ……んっ」
「んー?」
美味しいご飯を食べて昨日と同じやり方で一緒にお風呂に入ってるけど、昨日と何か違う。
凌ちゃんの触り方に遠慮がない。今も髪とか耳とか首筋にたくさんキスされてそのたびに身体がビクッとする。
「ふ、ぁ。凌ちゃん、くすぐったい」
脇腹を指でなぞられてそう抗議の声をあげる私に凌ちゃんは微笑む。
「だってもう我慢しなくていいからさ。遠慮なく朔夜に触れる」
え、我慢て……そういう事? 私に癒してもらうって、もしかしてそういう意味?
その言葉の意味を理解して真っ赤になって黙る私の顔を凌ちゃんは笑いながら覗きこんでくる。
「意味、分かったんだ。朝から予告してたつもりなんだけど。俺的にはやっとなんだけどね。
さすがに入籍まで我慢するのは無理だったけど、ちゃんとご家族に挨拶してからと思ってたから。
朔夜の誕生日にプロポーズするって決めてたし」
そんな事考えてくれてたんだ。大切にするって言ってくれてたけど、本当に色んな事考えてくれてたんだな。