健診診断と恋と嘘

いざそうなると思うとやっぱり緊張するし、ちょっと怖い。やっぱり痛いかな。


大体、遊んでないとは言ってたけど凌ちゃんて経験豊富そうだし。


私なんてそういう経験があるのは章だけだ。それも痛くて辛かったからなるべく避けてた。


今思えばあれって立派なレスだったよね。三年も付き合ってたけど最後の一年、いやもっとかな……はそういう行為はしてないもの。


私、大丈夫かな。何かすごく不安になってきた。


逆上せてきたからお風呂からあがって脱衣所で身体を拭く。


そうなるかもと思ってかわいい下着とか新しく買ってみたけど、それ以前の問題じゃない?


浴衣を着ながらはあっと息をつくけど、どうしよう。悪い考えしか浮かんでこない。


痛いって事は、私……感度が悪かったりするのかな。まさかの不感症とか?


凌ちゃんにつまんないとか思われたらどうしよう。


ぐるぐる頭の中を駆け巡るネガティブな考えに私は頭を抱えてしゃがみこんでしまう。


ふと、左手の薬指にはまっている凌ちゃんがくれた婚約指輪が目に入って何だか泣きそうになってしまう。ていうか涙出てきた。


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