健診診断と恋と嘘
「何、どうしたの? 何で泣いてるの?」
「凌ちゃん、ぎゅうってして」
そう言うと凌ちゃんは抱きしめて宥めるように背中を撫でてくれる。
「……俺とするの嫌なの?」
眉間にシワを寄せた凌ちゃんにそう聞かれて私は首を横に振る。
「違うの。ただちょっと不安になっちゃったの。凌ちゃん私で満足できるかな、とか。私……その、あんまり経験ないし、痛いからあんまり得意じゃなくて」
素直な気持ちを吐露する私に凌ちゃんは目を丸くする。
「痛いって……朔夜、初めてではないんだよね?」
凌ちゃんにそう聞かれて私は頷くけど、初めての時からずっと痛いままなんだもん。
涙目の私を見てため息をついた凌ちゃんが私の耳を甘噛みするからビクッと身体が跳ねる。