健診診断と恋と嘘
あの時、凌ちゃんとこうなるなんて想像もしてなかったな。
ビビって来なかったし、やっぱり私の勘はあてにならない。
私の方がよっぽど心配なんだけどな。凌ちゃんが独身だったのなんて奇跡だと思うし、こんなかっこよくて色っぽい人がもてないわけないもん。
「凌ちゃんの方が心配。私なんか色気もないし……綺麗で色っぽい人に言い寄られたりしたら浮気しちゃうんじゃないかって、心配」
本当に私なんかでいいのかな。
不安になって凌ちゃんを見上げると凌ちゃんはちょっと困ったように笑って私の頬にキスする。
「俺がそんな男だったらとっくに結婚出来てたんじゃない?
会社で働いてる分には男ばっかりで出会いもないからね。俺、なかなか身持ちが固い男だよ。
それにもう朔夜以外で身体が反応する気がしない」
反応……? 反応……って、えぇ、そ、そっち?
意味を理解して見事に赤くなる私を見て凌ちゃんが肩を震わせて笑っている。