健診診断と恋と嘘

「かわいい。いい子だね、朔夜」


そう囁いた凌ちゃんに溺れそうになりながら、私達の所にコウノトリが来てくれる日もそう遠くないような気がして、世界で一番愛してる人の端整な顔を見上げて微笑んだ。


健康診断で出会って、何気なくついてしまった嘘からこじれてしまったこの恋だけど……。


健診センターに入ってから出会った大切な人達の協力で恋人同士になれた。


ここが私の居場所なんだと凌ちゃんが言ってくれて、擦れ違っていた家族との関係も良くなった。


凌ちゃんが私の誕生日にしてくれたプロポーズを、一生忘れることはないだろう。


こうして凌ちゃんの腕の中にいられる事を、世界一……ううん、宇宙一幸せだと思える。


「凌ちゃん、好きー」


そう言ってぎゅうっと抱きつくと、私の世界一かっこいい素敵な旦那様は嬉しそうに微笑んで私の唇にキスをくれた。


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