健診診断と恋と嘘

結城家

「くくっ、否定はしないんだ。あー、面白い」


「和弥くん、何ニヤニヤしてるの? 小塚さんとメール?」


「そう。千紗のかわいさ自慢しといた」


「ちょっ、あんまり変なこと言わないでね。恥ずかしいから」


「大丈夫、大丈夫。それより朔ちゃんで遊んでることの方が多いから」


「和弥くん、メール嫌いなのにね。小塚さんとはよくしてるよね」


「だってねー、あの小塚課長の弱味握ってると思うとたまんないよね。朔ちゃん、アホだから俺の思う通りに動いてくれるし」


「ちょっと、失礼だよ。そういう所がかわいいんだから。……小塚さんみたいな人が良かった?」


「千紗、嫉妬? かーわいい。おいで、俺が千紗のことどれだけ好きか教えてあげるから。それに朔ちゃんは、出来の悪い弟って感じ」


「弟? 妹じゃなくて?」


「弟。普通に育って兄弟いたらこんな感じなのかなって。だから安心して。あ、千紗、何があっても朔ちゃんとだけは一緒に風呂とか入らないでね」


「え? 」


「歩ちゃんは別にいいけど、朔ちゃんは危ないから何か嫌。ね、女として見てないでしょ? 遊んでる分には楽しいし、バカな子ほどかわいいみたいな感覚はあるけど弟。俺には千紗だけだよ」


「……知ってる」


(……っ、ああ、もう、超かわいい)


どっちも嫁バカ。

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