健診診断と恋と嘘
結城家
「和弥くん、嘘つき。いちゃついてないけど」
「今からいちゃつくの。はい、俺の上に乗って」
「や、やだよ! 恥ずかしいもん……きゃっ!」
「恥ずかしがってる千紗、かわいいからその顔は逆効果かな」
「もう、結局、和弥くんの思い通りでなんか悔しい。それにしても小塚さんは料理上手だね。本当においしそう。旦那さん、羨ましい」
「ちょっと、俺も料理上手でしょ。今度朔ちゃんにレシピ教わって作ってあげるからね」
「え? 本当? 嬉しい」
(かわいい顔で笑っちゃって。本当に千紗には餌付けが効果的だなぁ)
「うん。作ってあげるからキスして、千紗」
「……うん」
(かわいい。にしても朔ちゃんは危ないな。本気で千紗にチューしそうだから嫌だわ。あとでもうちょっと釘差しとこう)
「朔ちゃんにチューさせちゃダメだよ」
「んー、ほっぺならいいかな。唇は和弥くんとしかしないよ」
「いや、ほっぺもダメだから!」
「……高倉さんにしたくせに」
「いや、あれは……ごめんなさい。でも絶対ダメだからね!」
「分かったよ。もう、小塚さんの冗談を本気にして」
(いや、朔ちゃんは冗談じゃすまないから。マジで)