健診診断と恋と嘘

あの人もあの顔であの年まで独身なわけだし何か問題ありなんじゃないかな。


あくまでかっこいい、かわいいと思う人は鑑賞用という感じなんだよな。


「思ってない、ですね。ほとほと恋愛に疲れてるんですよ。男見る目ないんです、私」


はあっとため息をつく私に結城さんはまた目を見開く。


そう、疲れてるんだよ。もう傷つくのも嫌だし、人の気持ちは変わってしまうんだもの。


恋愛なんて、もうこりごり。辛いことの方が多いんだもん。


私を必要としてる人なんて、きっとこの世にいないんだ。


「……今はそう思ってても、分かりませんよ。人生どこで何が起こるか分かりませんから。
私だって、結婚するなんて思ってなかったですし。私、男の人が苦手で、今でも旦那さん以外はちょっと無理なんですけど」


結城さん、そうなんだ。私がちょっと驚いて見てると仕事上は何とか大丈夫ですよと結城さんが笑う。


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