健診診断と恋と嘘

『じゃあ、そのまま裏に来て』


それだけ言ってプツリと電話が切れる。


裏って……この体育館の裏側ってことかな。


言われるがまま体育館の裏に回ると、ポツンと置かれたベンチに座って足を組んだ小塚さんが煙草を吸っていてた。


その姿があまりにもかっこよくて、つい見とれてしまう。


そんな私に気付いた小塚さんは笑みを浮かべて私を見る。


「お疲れ様、朔ちゃん。電話ありがとね」


微笑んだ小塚さんが私の事を手招きする。素直に近付くと手首を掴まれて隣に座らせられた。


「連絡、もうちょっと待って来なかったら押しかけてやろうと思って待機してた。電話で連絡きたのは意外だったけど」


本当だよ。何で私電話にしたんだろう。ニヤニヤしながら顔を覗きこまれてうっと言葉に詰まる。


それを見て小塚さんはふっと笑って煙草を口元にくわえる。その姿がかっこよくてドキドキしてしまった。



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