健診診断と恋と嘘

「いつもどんなご飯作ってるのかさ、写メしてよ。参考にするから」


「え!?」


予想外の小塚さんの言葉に私はぎょっとして目を見開く。


ご飯て、今日の夕飯は簡単に親子丼にでもしようと思ってたんだけど。


「一汁三菜だっけ? 俺、それもよく分かんないからさ。実践してるんだもんね」


小塚さんににこやかな笑顔でそう言われれば私は頷くしかない。だってそれを口にしたのは私自身だ。


私の無責任な発言のせいでこんなことになったんだから、出来ませんなんて言えない。


頷いた私を見て微笑んだ小塚さんが立ち上がった。


「じゃ、そろそろ戻るわ。朔ちゃんも午後のお仕事頑張ってね。メール、待ってるから」


ヒラヒラと手を振って私に背を向けて歩いていく小塚さんの背中を見送って、私はベンチに座ったままはあっと深いため息をついた。


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