健診診断と恋と嘘
「白いお皿に顎を乗せて、額までぴったりくっつけてください。目を大きく開いてますね」
お客さんにそう説明をして機械の高さを変えて画面に出てる丸をお客さんの瞳の中の瞳孔に合わせる。
ピッタリ合わせたら眼底像に切り替える。
「中に見える光見ててくださいね」
ディスプレイにお客さんの眼底が出るけど乳頭という部位をちょっと斜め上にくるように撮影するのが眼底検査のコツだと教わった。
こうすると普通に撮るだけじゃ写らない血管がしっかり写るから異常が発見しやすいらしい。
それから固視標といわれる撮影する目印のようなものを見つけてそれを機械を押したり引いたりして綺麗な丸になるように調整する。
そうなったらすぐ撮るのが基本だ。
目を大きく開けてるからお客さんも疲れるし、固視標がどこかにいっちゃったりするからね。
若い人だと合わせやすくて一瞬で検査が終わる。