健診診断と恋と嘘

そう言う私に高倉さんと結城さんが顔を見合わせてから微笑む。


な、何ですかそのすべてを悟ったような目は。


「うん。まあ、そういうことにしておこうね。千紗ちゃん」


「そうですね。あ、その人待ってるんですよね」


そうだった。急いでお弁当を広げる私を見て高倉さんが不思議そうに首を傾げる。


「その人と一緒に食べればいいのに」


私も出来るならそうしたいけど、一応仕事で来てるからまずいかなと思ったんだけど。


「いや、でもパートさん達にどこ行ってたのって言われるのも……」


そう言うと高倉さんはまわりを見渡してから私に優しく微笑む。


「今日の人達は大丈夫じゃないかな。せっかくだから一緒に食べてきなよ。何か言われたらごまかしといてあげるから」


「そうですよ。弓野さんの事、待ってるでしょうし」


背中を押すようにそう言われて私は広げたお弁当を一旦しまって立ち上がる。


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