健診診断と恋と嘘

「じゃあ、そうします。ちょっと行ってきますね」


先輩二人にかわいい笑顔で見送られて私は自分と小塚さんのお弁当を持って急いで体育館の裏に向かう。


小塚さんはすでに前に会ったベンチに座って携帯を見ていて、走ってきた私に気付いて嬉しそうにニコッと微笑む。


「お疲れ様、朔ちゃん」


う、素敵な笑顔と素敵な声でそんな事言われるなんて、何のご褒美なんでしょうか。


こないだみたいに手招きされて近付くと手首を掴まれて隣に座らせられる。


でも、今日はその手を離してはくれなくて私の手首を親指で撫でている。


「朔ちゃん、細いね」


ゆるゆると撫でられてそれがくすぐったいんだけど嫌じゃなくて、小塚さんが触れている手首が熱を持ち始める。


「今日、朔ちゃんの手料理食べられるのすごく楽しみにしてたんだ」


そう言って本当に嬉しそうに微笑む小塚さんに心臓がドキドキいい始めて自分でも驚く。


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