健診診断と恋と嘘
え、何これ。私、何でこんなにドキドキしてんだろう。
こんなにかっこいい人に素敵な笑顔を向けられたからかな、きっとそうだよね。
「肌ピンクに染めて、かわいい。本当に楽しみにしてたんだよ、朔ちゃんに会いたかったし」
小塚さんにそう囁かれてますます胸のドキドキが加速する。
楽しみだったのはお弁当でしょうと思うけどそこを突っ込む勇気は出なかった。
「ご、ご期待に添えられるか分かりませんけども……」
ごまかすようにそう言って小塚さんにお弁当を差し出すとそれを小塚さんはニコニコしながら受け取ってくれる。
「やばい、本当に嬉しい。開けていい?」
子供のように無邪気に喜ぶ小塚さんが何だかかわいく見えてしまう。
だってプレゼントを開けるときの子供みたいな顔してる。
「どうぞ。うちに男の人用のお弁当箱ないので小さくてすいません」
だから小塚さんのお弁当はおかずだけ入れてご飯はおにぎりにしたんだけど、足りるかな。