健診診断と恋と嘘
「喜んでもらえました」
「そりゃそうですよ。弓野さんのお弁当すごくおいしいですもんね。お店開けそうなくらい」
小塚さんと同じことを言う結城さんに笑いながら、ふうっと息を吐く。
「何か土曜日に会うことになっちゃいました」
そう言うと高倉さんと結城さんが同時にえ!?と声をあげた。
「料理教えてって……言われまして」
そう言うと二人は目を見開いて私の事を見る。同じリアクションなのがすごくかわいくて和むなぁ。
「料理って……じゃあ、家に行くの?」
「そうですよね。弓野さんの家に呼んだら結婚してないのバレますし。あ、でもバレた方がいいのかな」
あ、そうか。予想外すぎてそんなの全然考えてなかったけど、料理教えるって家に行くのか。
家……家!?
「え、い、家って……どうしましょう」
その事実に今更ながら気付いて急にオロオロする私に高倉さんが苦笑いする。