健診診断と恋と嘘

「全然ほっそいし、フニフニだけどね。こないだも思ったけど朔ちゃんちっちゃいよね。ちっちゃくて柔らかくて、女の子って感じ」


確かに身長は一五四センチしかないけど、や、柔らかいって。そういえばこないだ抱きしめられたっけ。


そんな風に思われてたと思うと、何だか恥ずかしくなってしまう。


「あ、ごめん。遠慮なく触りすぎた。セクハラだよね」


「い、いえ。二の腕の柔らかさって胸の柔らかさと同じなんて言うから固いよりは柔らかくてよかったですかね」


恥ずかしくてそう冗談を言ってごまかそうとした私に小塚さんが目を見開く。


「……え、ちょっと。それは誘ってる?」


何、誘うって。不思議に思って小塚さんを見上げて首を傾げる私に小塚さんは盛大なため息をつく。


「だよね、天然ですよね。これは本当に大変そうだな」


またため息をついた小塚さんがテーブルに置いてあった煙草の箱に手を伸ばして、はっとしたように手を引っ込める。


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