健診診断と恋と嘘
あれ、これはもしかして私に気を使ってくれてるのかな。
そういえばこないだ一緒にお弁当食べた時も煙草吸ってなかったし。
「大丈夫ですよ、吸っても」
そう言うと小塚さんは困ったように笑って煙草の箱を持つ。
「いや、でも朔ちゃん煙草嫌いでしょ? こないだ顔しかめてたし」
え。確かに好きではないけど、そんなに顔に出てたかな。
「朔ちゃんに嫌われたくないから我慢してたんだけどね……これも本当はやめた方がいいんだよね」
箱から一本煙草を出して口にくわえた小塚さんがそう言って笑う。
「そうですね。煙草は百害あって一利なしっていいますからね」
うう、でもそうしてるの絵になるな。本当にかっこいい。
でも健康の事考えたらやっぱり辞めた方がいいと思う。
「何かきっかけがあるといいんだけどね。……ああ、口寂しくなったら朔ちゃんがキスしてくれたら我慢できるかも」
からかうみたいにそう言われて、私はちょっとムッとしてしまう。