健診診断と恋と嘘

「今、禁煙するって言ったばっかり……んむっ」


急に唇を塞がれて目を丸くする私に小塚さんが微笑む。


「煙草はやめられそうだけど、朔ちゃんとのキスがやめらんなくなりそう」


ニヤッと意地悪な笑顔を浮かべた小塚さんにそう言われて、それを少しだけ嬉しいと思ってしまっている自分に戸惑う。


「ん、むっ、ちょ……料理……」


啄むようなキスを繰り返す小塚さんにそう訴えてみるけど、キスをやめてはくれない。


「だってまさかキスしてくれるとは思わなかったし。
したらしたで、やばいぐらい気持ちいいんだもん。
何だろうね、これ。背徳感てやつ? 不倫とかありえないと思ってたけど……朔ちゃんとなら何でもよくなる」


それがどういう意味なのか、私だからなのか、私を人妻だと思ってるからなのか分からなくて眉を寄せる私に小塚さんは困ったように笑う。


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