健診診断と恋と嘘
「そんな顔しないでよ。……作ろっか、料理」
小塚さんにそう言われて二人でキッチンに立つけど、何か胸がモヤモヤする。
何だろう、これ。なんか、苦しい気もする。どうしたんだろう、私。
胸の奥に何かが詰まってるみたいに、息がしづらい。
「何からすればいい?」
胸を無意識に押さえていた私はその小塚さんの声にはっとする。
「あ、じゃあ切り干し大根を軽く洗って水につけて戻しましょうか」
小塚さんに時々ふいうちでキスされつつ、いつもの手順で料理を進めていく。
キスされる度に増す胸のモヤモヤを抱えたまま小塚さんと作った切り干し大根の煮物は、私の心に反して今までで一番おいしくできた気がした。