彼が残してくれた宝物
徹さん、私を好きになってくれてありがとう。
大人になった貴方に、逢えなかったのは残念だけど、誠さんと出逢う事が出来て、私は幸せです。
奏輝と、律輝は、貴方の子供でもあると思ってます。
これからも、二人を見守って下さい。
また、来月きますね?
「ママお腹すいた!」
「じゃ、ご飯行きましょうか?」
「よし! 今日は、パパがなんでもご馳走してやる。何が食べたい?」と、子供達に聞く誠さんに返事したのは、伸君だった。
「寿司! 寿司が食べない!」
「しんちゃん先生、お寿司はダメ!」と、言う奏輝。
「なんで? 寿司嫌いか?」と、聞く伸君に、
「お寿司は、ぎ、ぎ、偽装魚! なんだよ? 知らないの? ねぇママニセモノだもんね?」と、奏輝は説明する。
「お前たち難しい事知ってるだな? でも、お前達のパパは、本物の寿司を食べさせてくれるぞ? ねぇ、誠さん?」と自慢げに言う伸君。
「ああ。 伸以外には本物の寿司食べさせてやる。」
「えー! 誠さん… 俺にも雅寿司食べさせて?」
「お前は、反省しろ! 俺に内緒にして、あばよくば、桜を自分のものにしようとしただろ? 学費の援助切るぞ!?」
え?
「あっいや… ごめんなさい! もう二度と、変な気は起こしません! 誠様、許してぇー」
伸君は半泣き状態だった。
その後、皆んなで雅寿司へ、本物のお寿司を食べに行った。
勿論、伸君も一緒。