あたしの1番大切な人
「――真琴。あたしちゃんと決める、決めるから――…」
真琴、あたし覚悟決めたよ。……だから。ねえお願い。
「――うん」
「これから、どうなるかわからないけど…決めるから、だから……」
――お願い決め終わるまで待ってて――…
「――ああ。ゆっくりで良い」
「……志望校とかまでは無理だけど、ちゃんと将来を見据えて考えてみるから少しだけ待って―…」
……こんな優柔不断で適当なあたしだけど―…
「……明後日までには絶対にどうするか伝えるから。今はまだ待ってて――…」
「…いくらでも待つよ。杏奈はとにかく落ち着いて、自分がどうしたいのかを考えれば良い。その間、俺は杏奈に近寄らないようにするから」
どうしてなにも言わなくてもわかるの?
あたしが真琴に《近寄らない》って言おうとしたのに…言いたかったこと全部代弁してくれる…ホント敵わない。
「ありがとう…」
「いーえ。……って礼言われるようなことしてないけど。じゃ明後日、待ってるから」
「……ん」
真琴があたしの部屋を出て行った。
少し自分の気持ちを落ち着かせてから考えることにしよう――…。