あたしの1番大切な人


「で、大介。何の用?」


 勝手に大介があたしの部屋に入ってくるのは、いつものことだけど…今日は珍しく部屋をノックしてから入ってきたし、なんか重要な用事なのかなって思ったから聞いてみた。


「な~姉ちゃん。さっき真琴兄に会ってさ、真琴兄から杏奈に伝えてくれって伝言頼まれた」


 久々に大介が姉ちゃん呼んだ~。
 最近は杏奈って呼び捨てにされるか、杏姉って呼ばれてたから。余計になにかある気がしてならない。


「――うん?」


「えっとね~『焦らない、焦らない。杏奈なら大丈夫。落ち着いて、杏奈が自分でどうしたいか決めな。杏奈が決めたことなら俺はなにも言わねーよ』だって」


 くすっ、なんだそれだけなんだ。でも、近寄らないって言ってたからか…。まあでも大介づたいっていうのが真琴らしい(笑)。


「……そっか~、ありがとね♪」


 考えよう。真琴にここまで心配させてるし。


「いーえ♪てか杏姉、真琴になんか言ったでしょ?」


「……なにを?」


「さっき杏姉の伝言頼まれた時に、オレにも言ってきたんだ」


「そなの?」


 ……全くなんのことかわからないな。



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