あたしの1番大切な人
そんな感じで真琴ママと世間話をしていたとき。
――ガチャ、とドアが開く音が聞こえて。音が聞こえた方を見てみるとすごい眠そうな真琴が立っていた。
――眠そう。
「……はよ、杏奈。待たせた」
「ううん、大丈夫。おはよ、真琴今日は一段と眠そうだね」
「――そりゃ眠いからね」
――声低っ。絶対起きたばっかりだ。
うん、ネクタイ曲がってるしブレザーの襟立ってるし。
余程時間なかったんだろうな。そうじゃなかったら真琴がこんなことになってるハズがないからね。
普段の真琴はいつもピシッと制服を着こなしてるし。
「……クス、真琴ネクタイ曲がってる。あとブレザーの襟立ってる」
真琴に教えてあげるとすぐに
「――マジだ」
と言って制服を直す真琴。
「――真琴さっき起きたばっかでしょ?」
「……え――なんで」
「今日は珍しく完璧なカッコで出てこなかったし、今日の髪型いつもより適当」
いつも髪を完璧に綺麗にワックスでセットして、完璧なカッコで家を出て学校に向かうのに、今日は明らかにに適当だとわかる適当さ。
こういう真琴は珍しくて、ちょっとだけ変な感じ。