あたしの1番大切な人


 てくてく二人で歩きながら会話をするのがいつもの光景。


「――待たせてごめん」


「……あ、大丈夫だよ。真琴が待たせるのはいつものことだし。起きるのなんで遅かったの?」


「ただ寝るのが遅くなっただけ」


「……何時?」


「―――2時半過ぎ」


 気まずそうな顔でそう言った。


「……えぇ!遅っ!!そんな時間までなにしてたの?」


「――一応勉強」


 勉強!?偉すぎるよ。それに比べてあたしは、昨日一切勉強しないで寝ちゃった。


「――偉いね」


「…今日小テストある日だから。偉くはないよ」


「――十分偉いよ。あたしなんか今日起きたら8時間以上寝ちゃってたよ?」


「……分けてくれ。その睡眠時間。ま、寝る子は育つって言うし。―でも杏奈は例外……か」


 ――うるさいっ。 中学入学してから3年が経過その間身長はというと。ここ2年で伸びたのはたったの3㎝……でも!!


「――156㎝は小さくないっ!」


「俺からしたら156は十分小さい」


 違う!!真琴が大きすぎるんです~。178㎝もある真琴を見上げれば、あたしの首は自然と痛くなる。
 まだ伸びてるんだって。――羨ましすぎ(笑)


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