あたしの1番大切な人


 ……でも……


「――なあ、だから受けないなんて言わないよな?」


 と、あたしに向かってニッコリ笑って言う真琴。
 もう反論する気力もなくなって。てか図星をついてくるから、反論なんて元から出来るわけがない――だからあたしは、


「――わかった受けてあげる」

 ――とそう答えるしかなかった。


「…マジか、良かった良かった♪んじゃこれからはけっこう勉強ハードになるぞ?大丈夫か?」


「……わかんないけど、やってみるよ」


 ――ホントはやりたくないけど。


「そっか。じゃあ今日の放課後、杏奈ん家行くから。勉強教えてやる」


「わかりましたぁ。じゃあ今日の放課後に」


「了解。あ、今日杏奈のこと迎えに行くわ」


「……え、わかった」


 ――少し強張ったの気付いてないよね?


 ついさっきまで話し込みながら歩いていたから、いつの間にか中学校付近で。
 真剣な話から解放されて周り見渡せば――。


 真琴は中学にいた時からモテモテで。まぁ、この顔と性格をトータルすれば超かっこいいから、わからなくはないんだけど。
 一緒に歩いてるだけで注目されし。


――ほら、今も。



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