あたしの1番大切な人


「なにそれっ、学校サボるとかダメだよ!学校戻って」


「――大丈夫。杏奈が心配する必要はないし!今勉強してるトコ全部わかるから」


「―――は!?」


 ってか、そういう問題じゃなくて!学校サボること自体マジでダメなことだと思うんだけど……。



「……っつーかさ、ほら良いから帰ろーぜ」


 ――有無を言わさないオーラで強引に、真琴はあたしをズルズル引っ張り、


「え……ちょっと、待ってよ!!!」


 ……そんな文句を真琴に大きな声でいっぱい言ってるにも関わらず、校門まで連れ出され。
 あたしが話してる文句を聞き流して、真琴に家まで送られてしまった。


 ――でもまぁ、このあとあたしには恐怖の勉強が待ち構えていたのだけれど。


 ―――なんでも、自分勝手だし強引すぎる真琴を、嫌いにはなれないあたしは、一生頭が上がらない気がする。



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