あたしの1番大切な人


 ――結局。
 ピンクがベースのタターンチェックワンピに決めた。
 首元にネックレスをして。
 服の上から新しく買ったばかりのコートを着て。

 そして、滅多に巻かない長い髪の毛を巻いて、目元に軽く化粧を施してカバンを持って部屋から出て下へ降りて。
 リビングへ向かう。


 ――ガチャ


 扉を開けた瞬間、ソファーで話していたママと大介と真琴が一斉にあたしのほうを見た。


「………なに?」


「支度ちゃんと終わったの?杏奈」


「あ…うん。ママ、真琴と何話してたの?」


「……それは内緒ね。ふふ」


「なによ、それ」


「まあいいじゃない。真琴と出掛けるんでしょ?こんなこと滅多にないんだから楽しんでおいで」


「…うん。ありがと、ママ。楽しんで来るね」


 ママと一緒に楽しんで会話してたら、大介がひょっこり話に入って来て、


「姉ちゃん、行ってらっしゃい。真琴兄に迷惑かけちゃダメだよ」


「わかってるってば」


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