あたしの1番大切な人
あたしはひたすら真琴の後ろを着いて、歩いただけだから、まさか目的地が電車に乗って行くほど遠いいとは思わなくて。
駅に着いた瞬間、真琴に驚きの声を発してしまったんだけど。
そんな驚きはお構いなしに、切符を買わされ、ちょうどよく来た電車に乗せられて。
――すごい間抜けな顔をしてたんだろうな。
とりあえずどこに行くかはお楽しみらしいし、目的地の駅につくまでの間、あたしはかなりぼーっとしちゃってて。
一応真琴の話には相槌を売ったりはしてたんだけど、多分検討違いな返事をしてただろうし、おかしな会話になってたんだろうな(笑)
だって真琴に話し掛けられるたびに、びっくりした反応をしちゃってたから。
真琴には爆笑されるし。……ムカつく。
――あ、ほら今も、真琴はあたしの顔の前で手の平をひらひら動かしている。
……バカにしてんの?
「――ぁ…ん…ぁ…んな…あんな…杏奈!!」
「…っ!な、なによ!!」
「……ぶっ(笑)。もう駅着く」
「え゙っ。嘘っ」
「…ホント(苦笑)」
――苦笑気味にそう言われて。真琴に促され座ってた座席から降りる。