あたしの1番大切な人


「――ちょうど着いたみたいだわ」


「……ここ?」

「…あぁ」


 そして電車から降りようとしたとき、転びそうになったのを助けてくれたのは真琴で。
 段差につまずいたのを気付いた真琴が、とっさに支えてくれていたらしい――…


「ったく、危ねぇな。――…全く―…ほら、手」


「――……え?」


 スッと差し伸べてられたきた意味を理解した途端、少し恥ずかしくなったけど、その恥ずかしさをひた隠し真琴の手を握れば。
 真琴にズルズルと引っ張られ、そのまま改札、出口へと連れてかれ、真琴と一緒に駅から出てみると。


 初めて降りた駅のためか見える光景全てが新鮮で。――…ココどこ――?


 キョロキョロと周りを確認している真琴に話し掛けみたりして。


「……ねえ、ここドコ?」


「――えっ、降りたの初めて?」


 真琴は意外そうな顔をして。


「うん。わざわざココで降りたりしないしかな」


「……まぁ中心の駅から一つ前の駅だし、降りたりはしないか……っと、進みながら話そーぜ?」


「あー、うん」



< 45 / 99 >

この作品をシェア

pagetop