あたしの1番大切な人


 そのあと、すぐに駅から一緒に歩き出して。もちろん手は繋いだまま。
 ……恥ずかしいよ…。誰かに見られてるんじゃないかって気が気じゃない――…


「――あ、もう少しで着くから」


「……ん」


 ……そう返事をしたのは良いものの、いっこうに着く気配がないんだけど…。


 ―……まあ良いや、気にしないことにしとこう(笑)
 どーせ、繋いだこの手を真琴は離す気ないだろうし。


 黙々とひたすら歩いてるってことは、黙って着いて来いってことなんだろうから……、仕方なく真琴に従い着いていくことにした。


 ただ、緊張で手汗をかいちゃって、真琴に緊張が伝わるのが少しだけ怖い……―


 そんなことを思ってたところで、全く周りを見ていなかったあたしは、


「…っぶ…っ!痛っ!…何急に止まってんのよ!」


 真琴が急に止まっていたのを知らなくて。
 …案の定、真琴の背中に衝突しちゃって。


 見てなかったあたしが悪いけどとにかくかなり痛かった。


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