あたしの1番大切な人
「君、名前は?」
「…えっと、高瀬杏奈です」
「杏奈ちゃんね。了解」
「…ちょっと待ってください!…あたし、ちゃんと先輩に名前教えたんですから、先輩の名前も一応――教えて下さい」
「……あ~、わかったよ。俺の名前は高須賀 祐樹[タカスカ ユウキ]。17歳で、高2。こんな感じでいいのかな?」
「…あの、自己紹介してとまでは言ってないんですけど」
「まあ…いいじゃんいいじゃん!」
「はあ…」
なんか…この人の会話疲れる(笑)。すぐにペースに乗せられちゃうっていうのかな?よくわかんないけど……。
「あ、そうだ。杏奈ちゃんの質問に答えてあげないと。……俺達んトコの学校は、そういうことに関してはけっこう校則緩くてさ。校則でも、バイトは自由ってなってるし。それにもしバイト先で問題が起きても学校側は干渉しないがモットーらしいし。だからなんっつーか、問題起こさなければ勝手にどうぞみたいな感じだから……堂々とバイトしてるヤツのほうが多いんじゃねーかな。なあ、真琴?」
「…えっ、まあ…そうですね」
いきなり真琴に話を振ったから、今度は真琴が挙動不審になってて。