あたしの1番大切な人
――スッ
「―お待たせしました~。お水です(笑)」
「「ありがとうございま~す」」
「ところで、注文は決まった?」
「…俺は決まったんですけど、こいつがまだ」
「そうなんだ。ところで気になってたんだけど、二人は付き合っていて、今日はデートなんだよね?」
「…ぶーっ」注:杏奈
「…は?」注:真琴
「杏奈ちゃん、汚いよ」
「すみません、ってか急になにを言うんですか?びっくりするじゃないですか!」
「ごめんごめん。だってかなり仲良いじゃん。それに雰囲気的にもデートっていうか、付き合ってるっていう感じがある」
「…そう見えますか?でもまあ、先輩の勘違いですよ?あたし達、付き合ってなんていませんよ?ねぇ。真琴」
「―そうですよ。俺らはただの幼なじみです。今日は明日がこいつの受験日なんで、頑張った分のご褒美として、ここに連れて来ただけです。先輩が思ってるような関係ではありませんので」
「…ふーん。そうなんだ」
「――なにか疑問とかでもありますか?」
「…えっ?いやいや全然。ところで、杏奈ちゃんは受験生なんだよね?」
「まあ、…はい」
「…どこの高校受けんの?」