あたしの1番大切な人
「めんどくさいことってなにそれぇ!」
「ほら、こうやってすぐ反論するんだもんな。めんどくせーな」
「めんどくさいって、そんな何度も言わなくて良いよ…」
「は?」
「――っ、2回も3回もおんなじことを言わなくて良いっ!!!!」
「なんで怒んだよ」
「……もういい。送ってもらうのここまでで良い。じゃあね」
「……は?じゃあねってなんだよそれ」
「知らないっ。だからもう送んなくていいって言った」
怒りに任せてそんなことを言ったら
逆効果なんだけど、言ってしまった……
言ったあとすぐに走ろうとしたのに。
パシッと右腕を掴まれて、走れなくて――
右腕掴まれたまま真琴の方を向かされて、
どうすれば良いかわかんなくて……。
しばらく、沈黙が続いた―――