桃色


「…み、美雨…家庭教師頼んだ覚えないよ?!」


お母さんはそれを聞き
すぐ言い返えした。


「美雨!優平さんに失礼よ?!」


「い、いえ、別に良いんですよ。」


そんな優平さんの
言葉を聞く余地も無く
親子の喧嘩が始まった。

「美雨はお母さんにいってるのっ!!」


「確かに、あんたは家庭教師は嫌だと言ったわ。でも、今の成績見てどうも思わないの?!」


「なんにも思わないもんっ!別に成績悪くても友達と遊べればいいしっ!」

「そんなんだからあんたはお兄ちゃんに追いつかないのよっ!」




……お兄ちゃん、




その言葉が突っ掛かった。




「もういーよ…!何で美雨ばっかりお兄ちゃんと比べられないといけないの?お母さんはいつもそうっ!!お兄ちゃんとばっか比べて!!もう顔も見たくないっ」


もう、
わけわかんない…。




あたしは気付くと
自分の部屋の中にいた。走って来てしまった
みたいだった。




「はあ……お兄ちゃん、」



どこか突っ掛かかる
その言葉。





あたし…優平さんに
失礼な事しちゃった…







何故か優平さんが
お兄ちゃんに見えてくる。



何処となく似てる。







…そんなことないか。






「はあ~っ!疲れたっ。少し寝よ。」



美雨はそのまま
ゆっくりと瞼を
とじていった………













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