花魁〜撫子達の葛藤〜
***亜矢side***


(ふぅっ〜、5枚差で勝ってる...。
さすが準決勝。強いな)

亜矢は勝ってはいたものの、5枚差。覆されても何もおかしくない差だ。

亜矢の自陣はいま、12枚、敵陣は17枚。

自陣には大山札が多く、相手は囲い手破りを得意としている。

___不運だ。

その後、大山札が立て続けに出、払いの練習しか主にしていなかった亜矢は、囲うことも出来ず、出来ても不完全で、すぐに囲い手破りをかまされた。

そしてついに、亜矢の自陣は14枚、敵陣は11枚...。抜かされた。

(もう無理。駄目。完全に流れは相手だ。
今回は負ける。しょうがない)

亜矢がそう諦めかけたその時!

《亜矢ちゃんなら勝てるよ!》

真梨子の言葉が、亜矢の頭を走馬灯のように駆け巡る。

亜矢はほっぺをパンッと叩いた。

(マリちゃんも頑張ってるんだ、アタシが諦めてどーする。勝ってやる!)

立ち直った亜矢に女神が微笑んだのか、その後は得意の二字決まりが連続で出た。

そして_________!!!!!!!!!!

「ありがとうございましたっ...」

亜矢は、相手に3枚差で勝利した。
< 15 / 54 >

この作品をシェア

pagetop