花魁〜撫子達の葛藤〜
「うわ〜、真希ちゃんて、前年のAブロック優勝者なんだぁ!強いなあ」

これは敵わないなあ、と思いながらも、真梨子はもう一度真希と戦いたいと思っていた。

能天気に見えて、素晴らしい刃を隠し持っていた真希。

それはまるで、ハリネズミのようだと思った。

(真希ちゃんを初めて見た時、ホンワカした雰囲気がある子だなって思った。

だけど戦ってみると、全然違くて...)

真梨子はそんな真希に、尊敬...とはまた違う感情を持っていた。

真希のことを考えると、ゾクゾクしてしまうのだ。


そのとき、洗面所の方から黄色いパジャマを纏った亜弥が現れた。

「出ましたー...って今日唐揚げ!?」

亜弥は机上の唐揚げを見て、ジュルりとよだれを垂らしている。

「そうよお(*´╰╯`๓)♬*゜亜弥ちゃん、唐揚げ好きだった?良かったわあ(*Ü*)ﻌﻌﻌ♥」


天然な真梨子の母親は、食卓に唐揚げがこんもりと乗ったお皿を置くと、亜弥達の方を向いた。

「お味噌汁が出来るまで、あと30分かかるから、リビングかお部屋で遊んでいてね」
「はーーーい」

亜弥はリビングでテレビを観ようと、リモコンを手を取った...が。
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