花魁〜撫子達の葛藤〜
ザワザワ、ザワザワ...


楽都中学校、一年A組の教室は嫌に騒がしかった。

つけてきたネイルを自慢する者、

早速汚した制服を一心不乱に拭く者、

馬鹿をやって騒ぎ立てる者...。


亜矢は、仲良くなった

宮岡 仁奈(みやおか にな)

と、おしゃべりをしていた。

「でね、そこでラスボスが出てくるの!」
「ふぇ!?それでそれで!?」

2人で好きなゲームの話をしていた。

すると、仁奈がこう言い出したのだ。

「亜矢ちゃん、部活何にする?」

亜矢はこう、答えた。

「うーん、特にやりたいこともないし、帰宅部かなぁ。」

仁奈はその答えにブウと口を尖らせると、

「せっかくだから、何かに入ろうよ!...そうだ、きょうの放課後、部活見学行こう!」

亜矢は興味がなかったので、断ろうとした...が、仁奈の圧力に負け、しぶしぶ了解した。


その日は、自己紹介と連絡物が配られて、終礼となった。

そしてついに、放課後...

ヘトヘトの体にムチを打ち、仁奈について行く。友達との付き合いは、絶対だ。

まず行ったのは、バトントワリング部。

腰や頭を激しく揺らしながら、先輩たちは踊っていた。

亜矢はそれに対し、何も感じなかった。

次に行ったのは、女子サッカー部だ。

へいパス、などと叫びながらボールを追い回し、口の空いたゴールに入れる...

なんとつまらないスポーツだ?

それからもいくつかの部活を回ったが、どれもパッとしなかった。
< 4 / 54 >

この作品をシェア

pagetop