lie love
学校につくと階段を駆け上がって教室に入る
「!」
なんでいるの?
「よっ」
少し夕日に照らされた銀髪の山岸が机の上に座っていた
「どうしているの?」
「…いや、これ…」
手には私の携帯。
あんたかーい、持ってたんかーい
「なんで持ってるの?ありがとう!!!」
「教科書拾った時に拾った。その時渡そうと思ったけど…」
「?」
「放課後まで、お前気づかなくておもしろそうだったから持っといた。」
なんじゃそりゃあ
「渡してよ!!!探したのに!!」
怒ったふりをして教室から出ようとする
「…ったく、怒りん坊ですね…」
「うるさいよ! 」
振り向こうとするとすぐ後ろに山岸春人。
えっ?と困惑したも束の間
手を引っ張られ顔と顔が約20センチ。
彼はニヤーっとして
「なあ、待っててやったのにそれ?」
と意地悪そうな顔
「なによ...」
あまりの近さに目を合わすことができない
「離してよ...」
赤く染まるあたしの顔
「いいよ」
そういって離された手をまた繋がれた
「ん…」
「礼はこれでいいよ、じゃーな」
といって教室から出る山岸春人
…
フリーズ状態のあたし。
(ななななに!今の!!!!)
自分の顔を両手で押さえる
心臓のドキドキが止まらない
初めてのファーストキスを奪われました。