lie love
いつも通りの教室。
あれからどのくらいたったんだろう
あの出来事が夢みたいで正直今も信じられないくらいだ。
残る唇の感触
思い出しただけでも顔が真っ赤になりそうだった
あの日から山岸のことが気になり始めたのは事実。
「...はよ」
山岸春人はあの出来事を境に喋りかけてくるようになった
他の生徒には羨ましいと言う目で見られている
「おはよ…」
そっけなく返す挨拶
キーンコーンカーンコーン
授業が始まって10分。
山岸春人が一枚の紙をあたしに渡してくる
「?」
ふいに開いた紙。
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お前さ、彼氏とかいんの?
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はいー?!
急な質問。にしても失礼な質問。
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いるわけないでしょ!!!なに?!
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と書いてそっと渡す
すぐに返事が返ってきた
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じゃあさ、俺と付き合う?
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?!!!!
なにをいってるんだろうかこの男は。
ちらっと横を向いた
な ん で ?
と口パクで言うあたし
すると紙をしゅっと奪われ何かを書き出す
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まあ、いいから。
今日放課後話あるからついてきて?
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と差し出された紙
キーンコーンカーンコーン
授業がおわる
ふっと笑ったようにこっちを向く山岸
男の考えていることがさっぱりわからない
頭がぐるぐるとさっきのことでいっぱいだった
いつの間にか学校も放課後となっていた。