lie love



風がなびく





「お前って運命信じるか?」




「そりゃ乙女ですもの…」




「なら、大丈夫かな」




「何が大丈夫なの」





ううん、こっちの話といわんばかりに話を逸らす




「俺さ、無愛想で何考えてるかわからない奴だと思うけどお前とは何か話したいって思ったり意地悪もしたくなる。だからこの前キスした。」





「…」






「良かったらさ、俺と付き合わねえ?」







顔は真っ赤だけど頭の中は真っ白だった






だって突然転校生でやってきた理想の王子さまに告白されたんだよ???




信じられない。




そりゃ無愛想でなんだこいつって思う部分はあったけど…





内心あたしは春人のことどこかで好きなのかなと感じていた







「春人はさ…、あたしなんかでいいの?」






「…もちろん。出会ってあんま経ってねえけど一目惚れしたんだから」






「…嬉しい…。」





「え?じゃあいいの?」





「うん、よろしくお願いします…」





照れながら春人に言う







春人は嬉しそうにニコッと微笑む







「こっちおいで」





手が伸びた





あたしと距離が近くなる




「絶対なにがあってもこうなる運命だよ。俺は知ってる。」





訳のわからないことを理解しようと必死に考えるあたしをみて




「ううん、何もないよ。」



と言いあたしを抱き寄せる




「春人… 」




春人が私の体をギュッと力強く抱き寄せる






「やっと見つけた。俺の運命のお姫様」








聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声で呟く






「?」





「陽葵だいすきだよ」






幸せな日々がこれからまっていると信じていた









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