それはとっくに恋だった
「おかえり。真尋。」


「ただいま。お父さん。」


程良く低いよく通る声。声までイケメン。



「いらっしゃい。」


一度、真尋に移された視線がまた俺に戻ってきた。


我に返る俺。



「は、初めまして。松井颯太と申します。

 本日は、お時間を取っていただきありがとうございます。」



「こちらこそ遠いところまで来てもらって疲れたでしょう?

 どうぞおかけになってください。真尋も座りなさい。」



「はい。ありがとうございます。」



俺と真尋は目を合わせて無言で頷くと、一緒にソファーに座った。


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