それはとっくに恋だった
「どんな男か心配になった。だからね、何度かこっそり見たことがあるんだ君のこと。

 君は真尋が家に入るまできちんと見届けてそれから帰って行った。そんな君を見て、私は、君ならいいかと思ったんだよ。
 
 だから、今回のことも、相手が君であることに不満はない。

 言いたいことがないかと言われれば嘘になるが・・・君が付き合い始めたころから、別れるつもりがなかったと言うのならまぁ良しとしよう。」


「ありがとうございます!!」


俺は頭を下げた。


「真尋。失望したとは言いすぎた。

 ただちょっと、彼氏もいないと思っていたから、心の準備ができていなかったんだ。」


その言葉に、真尋の目からは涙があふれた。


うまく言葉にできないようで、下を向いて首を横に振った。


「颯太君。真尋をよろしくお願いします。」



お父さんが頭を下げた。


「必ず、真尋さんを幸せにします!」
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