それはとっくに恋だった
「そんな風には見えなかったけどな。達也も梨央もお互いがお互いのことすげー好きですげー大事にしてるように見えた。」


『大事だったよ。好きだった。だからこそどうしたらいいのかわかんなくなってたんだ。』


「そうだったんだ。」


『あぁ。だから真尋ちゃんには感謝してる。もちろん梨央の親友だからってのもあるけど。とにかく幸せになって欲しいんだ。』



「そっか・・・」


『颯太、自信持てよ。恋愛に関してはヘタレだけど、お前はいい奴だよ。』



「ヘタレは余計だ。でも。サンキュ。」



『明日は、もういいだろ?』


「あぁ、梨央を迎えに行ってやって。

 俺も真尋を迎えに行くから。」



『なんだ、真尋ちゃんも体調悪いのか?大丈夫なのか?』


「あぁ、妊娠って大変だな。生理もひどくなるらしい。」


『・・・お前、バカ?妊娠中は生理来ないだろ。』



「え?だって真尋が」


『颯太。それ以上言うな。自分で調べて自分で考えろ。じゃあな。』



そう言って達也は一方的に電話を切った。
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