それはとっくに恋だった
達也の言った意味がさっぱりわからず、妊娠についてネットで調べる。


そして、俺は初めて知った。


妊娠中は、生理が来ないこと。


そして、妊娠中の出血が流産、つまりお腹の子を失う危険があるということ。




俺は何をしていたのだろう。



真尋と連絡が取れなくなって、空っぽだった。


でも、きっとそれ以上に真尋は不安だったに違いない。



不甲斐無い自分が嫌になる。




真尋ちゃんが好きなのは俺じゃない。



達也の言葉が頭の中をグルグルまわる。



じゃあ、真尋が好きなのは誰だ。



あの時、あの視線の先には誰がいた?



何で、俺の愚痴に付き合ってくれたんだ?



そこで俺は一つの可能性を見出す。



それはあまりに俺にとって都合のいいこと。



なぁ真尋。俺、自惚れてもいいのかな。



眠れずに過ごした俺は、いてもたってもいられず、明るくなり始めた外へ飛びだず。


白い息を吐きながら、駅へ向かって走る。



始発に飛び乗り、真尋のもとへ向かう。




なぁ、真尋。


今度こそ、ちゃんと向き合うよ。



愛しい君との幸せな未来のために。
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