それはとっくに恋だった
ろくに会話もしないまま、先週も通った道を真尋と二人で歩く。


帰るときは、二人で笑顔で帰りたいと思った。



真尋の家のインターホンを震える指で押す。



「はーい。」


と、インターホンからじゃなくて、ガチャっという音とともに玄関から聞き覚えのある声がした。



「あ、真尋。颯太君。いらっしゃい。寒いでしょ?上がって上がって。」



「ただいま。」


「おじゃまします。あ、これ、お口に合うかわかりませんが・・・」


「嘘?!そんな気使ってくれなくて良かったのに!私、ここのお菓子大好きなの~。」




持ってきた手土産を差し出すと、真尋のお母さんは嬉しそうに受け取ってくれた。


正直、お母さんには何度もあったことがあるし、先週の感じから、俺がちゃんとすれば大丈夫だと思っている。



問題はこれからだ。


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