榛色の瞳を追って
「え、ちょうど切らしてしまったんです。 今日はカレーですし、お海苔は…」

「うるさいうるさい、カレーだろうが何だろうが海苔が無ければ困る！ 買ってこい！」

宗一さんは大の海苔好きで、いつも買い置きしてあります。 ですが、たまたま切らしていて、今日はカレーを作ったのでいらないものとばかり思って買わなかったのですが、まさかこんなことになるとは…。

「宗一、海苔自分で買ってきなさい。 お前が買わなければワタシ買いますよ」

「父上に買いに行かせるような真似は…」

「ワタシに買いに行かせられないのに、ちささん買いに行かせるのですか」

今までこのようなことが無かったので、私はただただ頭を下げることしかできません。 見かねた陳さんが自分で買いに行くと言っていますが、彼の機嫌は直りそうにありません。 困りました。

「お海苔、買ってきます。 お二人とも先に食べていてもらえませんか」

「海苔も無いのにのうのうと食べていられるか！」

「いい加減なさい、宗一！」

そういう訳で、私はお昼時に海苔を買いに行くことになってしまったのです。 どこの商店が開いているでしょうか…。
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